帝国ホテルの立会外分売分析
銘柄名 | 【9708】 帝国ホテル |
---|---|
市場 | 東証スタンダード |
信用区分 | 売禁 |
実施目的 | 株主より一定数量の売却意向があり発行会社として検討した結果、スタンダード市場の上場維持基準(流通株式比率)を充たすべく当社株式の分布状況の改善並びに流通株式比率及び流動性の向上を図ることを目的に実施いたします。 |
スケジュール
発表日 | 2023/09/26 (火) |
---|---|
予定期間 | 2023/10/04 (水) ~ 2023/10/05 (木) |
実施日 | 2023/10/04 (水) |
分売情報
単元株数 | 100 株 | 発表日終値 | 1,000 円 |
---|---|---|---|
分売枚数 | 22,400 枚 | 前日終値 | 950 円 |
申込上限 | 100 枚 | 分売価格 | 922 円 |
PER | 49.71 倍 | 割引率 | -2.95 % |
PBR | 9.12 倍 | 発表日比 | -7.80 % |
株式情報
発行済株数 | 118,800,000 株 | 時価総額 | 109,534 百万円 |
---|---|---|---|
浮動株数 | 4,395,600 株 | 浮動株総額 | 4,053 百万円 |
分売株数 | 1,200,000 株 | 分売総額 | 1,106 百万円 |
前日出来高 | 619,200 株 | 出来高/分売数 | 51.60 % |
対株式数比 | 1.01 % | 浮動株比率 | 3.70 % |
対浮動株比 | 27.30 % |
参加評価
分売評価 | C | ||
---|---|---|---|
評価コメント | ※ザラバ中発表のため、発表日終値は直前約定値
10月1日にて1:2の株式分割を予定しており、本稿についてはすべて分割後の数値にて記載する。 取引先・金融保険会社など多数の株主によって固定株が大半となっているため、直近の流通株式比率は9%とスタンダード市場の上場維持基準25%をまったく満たしていない。 今回発行済株式の1%足らずの分売をしたところで焼け石に水であり、まとめて売出でもした方が早いのではないか。 分割考慮後で年間配当は6円と利回りは0.6%ほど。 同日に株主優待を新設しているものの、価値としては額面換算で1%といったところで特段魅力的でもない。 PER54.7倍、PBR2.73倍の株価水準は割高感があるが、保有不動産に膨大な含み益があるため株価は正当化されている。 株価は2,000円付近の居心地がいいのか安定感がある。 株式分割もあり分売総額についてはそう多すぎるということもないが、普段の流動性と比べて過大感は否めない。 コロナ禍からの復調基調であるホテル業界ではあるが、現状の株価は浮動株が少ないため安定しているだけであり割高で銘柄としては特段保有するほどの投資妙味に乏しい。 今後も流通株式比率を増やすための各種政策をしてくる可能性があるため、短期勝負に留める方が良さそう。 獲得予定数量分の空売りを入れておきサヤ抜きに徹する方向性が無難なのではないかと思われる。 10/3追記: 発表後は優待新設も絡んで乱高下していたが、値決め日にはなんとか売り込まれて分売価格は年初来安値以下となった。 注意喚起を経てから売り禁になっているのも珍しい。 直近の発表後売り禁案件としてはヤマウラ、ジェイテック、モーニングスターなどがあるが、逆に警戒感から参加者が少なかったためある程度は浮上する展開となった。 ただこの分売数量ではいつもの寄り売りが出ればまともに受け止めきれるかは微妙な線であり、運良く両建てを作ってヘッジできた人だけが参加するのが無難と思われる。 |